【争族を防ぐ】 遺言書があっても揉めるケースとは?「付言事項」の活用で家族への想いを伝える
2026/01/16
こんにちは、東京都中央区日本橋にて在留資格と遺言・相続手続きを専門で扱っている行政書士 加治屋事務所です。
「遺言書さえ書いておけば、家族間の争いは避けられる」—多くの方がそう考えています。確かに、遺言書は財産の分け方を法的に確定させるため、相続手続きをスムーズにするうえで最も強力な手段です。
しかし、残念ながら、遺言書があるにもかかわらず、家族間で深刻な「争族」が発生するケースは少なくありません。これは、**「財産の分配」の問題ではなく、「感情」**の問題が原因であることがほとんどです。
本記事では、遺言書があっても揉めてしまう主なケースを解説し、争族を防ぐために遺言書に必ず盛り込むべき**「付言事項(ふげんじこう)」**の活用法についてご紹介します。
1. 遺言書があっても「争族」になる2つのケース
遺言書は、法的に財産分配の指示を確定できますが、相続人全員の「納得感」までは保証できません。特に以下の二つのケースで、感情的な対立が生じやすくなります。
ケース1:遺留分を侵害している場合
遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人(配偶者、子、直系尊属)に法律上保障されている、最低限受け取れる財産の割合のことです。
争いの原因: 遺言書で「すべての財産を長男に相続させる」と書かれていた場合など、他の相続人(次男、長女など)の遺留分が侵害されます。
結果: 遺留分を侵害された相続人は、財産を受け取った人に対し、侵害された分の金銭を請求する**「遺留分侵害額請求」**を行うことができます。この請求が行われると、当事者間で金銭のやり取りが発生し、家族間の関係が決定的に悪化することがあります。
ケース2:財産分配の「理由」が不明確な場合
遺言書に書かれた分割内容が、相続人の心証を害する場合に揉めます。
争いの原因: 「長男に多めに渡す」「次男には一切渡さない」といった偏った内容に対し、他の相続人が「なぜ自分は少なくされたのか?」という理由や公平性に疑問を持つ場合です。
結果: 遺言書の無効を主張したり、遺留分侵害額請求を起こしたりするだけでなく、単なる金銭ではなく親の愛情をめぐる争いへと発展し、泥沼化するケースが多々あります。
2. 争族を防ぐ「付言事項」の活用
「付言事項」とは、遺言書の本文である**法的効力を持つ事項(誰にどの財産を渡すか)**とは別に、遺言者の想いやメッセージを自由に書き残せる部分です。
付言事項には法的な効力はありませんが、**争族を防ぐための「最高の潤滑油」**としての役割を果たします。
付言事項が争族を防ぐ理由
相続人たちが遺言書を開封する際、財産の分け方よりも先に、親からの最後の手紙として付言事項を読むことになります。
納得感の向上: 財産配分の理由が丁寧に説明されていれば、「親にはそうした事情があったのか」と納得しやすくなります。
感情の鎮静化: 感謝や愛情のメッセージを受け取ることで、怒りや不公平感が和らぎ、争う気持ちを抑える効果があります。
3. 遺言者の想いを伝えるための付言事項の書き方
付言事項は形式が自由だからこそ、その内容が重要になります。単なる感謝の言葉だけでなく、**「なぜその財産配分にしたのか」**を具体的に伝えましょう。
活用例1:偏った分配の理由を伝える
| 遺言事項(法的効力あり) | 付言事項(家族へのメッセージ) |
| 「自宅不動産(評価額5,000万円)を長男Aに相続させる。」 | 「長男Aへ。自宅はあなたに託します。長年、家業を手伝い、また、私たち夫婦の生活を支えてくれた感謝の気持ちです。弟Bと妹Cの生活も助けるよう、どうか助け合ってください。」 |
| 「次男Bに預貯金1,000万円を相続させる。」 | 「次男Bへ。あなたには以前、留学費用としてまとまった支援をしました。遺産額では少なくなるが、あなたの新しい人生を応援したかった私の気持ちを理解してください。」 |
活用例2:配偶者への愛情と感謝を伝える
「妻(〇〇)へ。あなたには感謝しかありません。私の財産のすべてをあなたに託すことで、残りの人生を不自由なく、安心して暮らしてほしいと心から願っています。子どもたちもきっとあなたを支えてくれるでしょう。」
活用例3:家族への遺言とお願い
「子どもたちへ。私たちが残したものは財産だけではありません。何よりもあなたたちの仲の良さが、私にとって最高の財産でした。私が亡き後も、財産のことで揉めることなく、互いに助け合い、絆を大切に生きてくれることが私の最後の願いです。」
4. まとめ:遺言書は「手続き」と「想い」のセット
遺言書は、法的な**「手続き書類」であると同時に、家族への「最後の手紙」**でもあります。
財産の分配を確定する本文(法的効力)と、その理由や愛情を伝える付言事項(感情への配慮)は、どちらも欠かせません。遺言書作成の際には、弁護士や行政書士などの専門家に相談し、法的な不備をなくすと同時に、付言事項についても具体的なアドバイスを受けることを強くお勧めします。
初回面談はオンラインにて一時間無料で実施しています。お気軽にご相談ください。
----------------------------------------------------------------------
行政書士 加治屋事務所
東京都中央区日本橋1-2-10 東洋ビル3階
電話番号 : 03-4400-4392
FAX番号 : 03-6735-4393
東京で相続手続きを手厚く支援
----------------------------------------------------------------------
