行政書士 加治屋事務所

揉めない相続の秘訣!財産分割の基本と「代償分割」を事例で解説

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揉めない相続の秘訣!財産分割の基本と「代償分割」を事例で解説

揉めない相続の秘訣!財産分割の基本と「代償分割」を事例で解説

2025/09/19

こんにちは、東京都中央区日本橋の行政書士加治屋事務所です。

今回は、相続が発生したとき、被相続人の財産をどのように分けるかは相続人にとって重要な問題です。特に不動産のような分けにくい財産がある場合、適切な分割方法を選択することが円満な相続の鍵となります。今回は、具体的な事例を交えながら、財産分割の方法について詳しく解説します。

 

相続における財産分割の基本的な考え方

相続では、被相続人の財産を相続人間で公平に分割することが原則です。しかし、財産の種類や相続人の状況によって、最適な分割方法は異なります。財産分割には主に4つの方法があり、それぞれの特徴を理解して選択することが大切です。

 

財産分割の4つの方法

1. 現物分割

財産をそのままの形で各相続人に分ける方法です。例えば、預貯金は母に、土地は長男に、家屋は長女にというように、それぞれの財産を個別に相続人に配分します。シンプルで分かりやすい方法ですが、財産の価値が均等でない場合は公平性に問題が生じることがあります。

 

2. 換価分割

財産を売却して現金化し、その代金を相続人間で分割する方法です。不動産を売却して得た現金を法定相続分に応じて分けるなど、公平な分割が可能です。ただし、思い入れのある不動産を手放すことになるため、感情的な面での配慮が必要です。

 

3. 共有分割

財産を相続人全員の共有財産として相続する方法です。不動産を兄弟姉妹で共有するケースなどがあります。一時的には問題を先送りできますが、将来的に共有者間でトラブルが生じるリスクが高く、あまり推奨されません。

 

4. 代償分割

特定の相続人が財産を取得し、その代償として他の相続人に金銭を支払う方法です。不動産のような分けにくい財産がある場合に有効で、今回の事例でも採用されている方法です。

 

具体的事例での財産分割

今回のケースを見てみましょう。

被相続人:

相続人: 母、長男、長女

財産: 預貯金:1,500万円

   土地:評価額3,000万円

   家屋:評価額1,200万円

   総財産:5,700万円

分割結果:母:2,850万円(法定相続分通り)

     長男:1,350万円(法定相続分1,425万円より75万円少ない)

     長女:1,500万円(法定相続分1,425万円より75万円多い)

 

この地域では、長男が土地・家屋を継承する風習が残っており、実際に長男が不動産を相続することになりました。しかし、このままでは長女の相続分が不足してしまいます。

そこで採用されたのが代償分割です。長男が土地と家屋を相続する代わりに、土地の評価額を基準として、それぞれの法定相続分に近しくなるよえに現金で母と長女に支払うことで、相続人間の公平性を保っています。

 

代償分割のメリットとデメリット

メリット

・不動産を分割せずに済むため、土地の有効活用が可能

・地域の慣習や家族の意向を尊重できる

・相続人間の公平性を金銭で調整できる

・不動産の共有状態を避けられる

 

デメリット

・代償金を支払う相続人に資金力が必要

・不動産の評価額について相続人間で合意が必要

・代償金の支払い時期や方法を決める必要がある

 

本事例での留意点: 長男は代償金として母に1,350万円、長女に1,500万円の合計2,850万円を支払う必要があります。これにより最終的に長男が取得する財産は1,350万円、長女は1,500万円となり、法定相続分(各1,425万円)に非常に近い公平な分割が実現されています。代償分割により長男と長女の相続分が均等に近づくことで、地域の慣習に従いつつも家族間の調和を保つことができます。

ただし、長男は高額な代償金を支払う必要があるため、不動産を担保とした借入れや、将来の収益見込みを含めた資金計画が重要になります。

 

財産の共有について注意すべきポイント

財産の共有は一見公平に見えますが、実際には多くの問題を抱えています。

共有のリスク:

・売却や大規模な修繕には共有者全員の同意が必要

・共有者の一人が亡くなると、その持分がさらに相続される

・時間が経つにつれて共有者が増え、意思決定が困難になる

・固定資産税の負担割合でトラブルになる可能性

これらの理由から、不動産の共有は避けることが一般的に推奨されています。

 

財産分割を成功させるポイント

・事前の話し合い 相続が発生する前から家族で話し合いを重ね、基本的な方針を決めておくことが重要です。

・専門家の活用 不動産の評価や税務上の取り扱いについては、不動産鑑定士や税理士などの専門家に相談しましょう。

・書面での合意 口約束ではなく、遺産分割協議書として書面で合意内容を残すことで、後々のトラブルを防げます。

・感情面への配慮 法的な公平性だけでなく、各相続人の感情や事情にも配慮した解決策を模索することが大切です。

 

まとめ

財産分割は相続手続きの中でも特に重要な段階です。今回の事例のように、地域の慣習と相続人の公平性を両立させるためには、代償分割が有効な選択肢となります。ただし、代償分割を選択する場合は、支払い能力や不動産の適正な評価など、事前に検討すべき点が多くあります。相続は家族にとって大きな転機となる出来事です。全ての相続人が納得できる分割方法を選択するためにも、早めの準備と専門家への相談を心がけることをお勧めします。適切な財産分割により、家族の絆を保ちながら円満な相続を実現しましょう。
 

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