原始定款を変更していない企業と許認可申請への影響を解説!
2025/08/31
東京都中央区日本橋の行政書士加治屋事務所です。
今回は、企業が事業拡大などで新規の許認可を取得する際に定款の提出を求められる許認可申請があります。
その際に、全部履歴証明事項(いわゆる登記簿)と定款記載事項が違う場合があります。
多くは、原始定款から変更が有った場合に定款を変更していなく、変更登記だけを行っているケースです。この場合にどのような事が起きるのかを解説します。
原始定款を変更していない企業と許認可申請への影響 〜経営者の視点から〜
会社を設立する際に作成する「原始定款」は、会社の基本ルールを定める重要な書類です。
しかし、設立後に事業内容が変わっても、そのまま放置しているケースは少なくありません。
特に「事業目的」が実際の事業内容と一致していないと、新たな許認可の申請時にストップがかかるというリスクがあります。
よくあるケース
・設立時は「飲食業」で登記したが、現在は「建設業」を営んでいる
・廃棄物関連の取引をしているのに、定款には「産業廃棄物収集運搬業」の記載がない
・ネットで中古品販売をしているが、定款に「古物商」関連の記載がない
こうした場合、実際に事業を行っていても、定款上に目的がないと許認可が下りません。
ワンオーナー会社なら対応は簡単
中小企業では、株主が代表取締役社長一名の「ワンオーナー会社」が多数です。
この場合、株主総会の特別決議は自分ひとりの判断で完結できるため、定款変更はスムーズに進められます。
「気づいたときにすぐ対応できる」ことは、ワンオーナー会社の大きな強みです。
許認可と定款目的の関係
建設業許可
建設業許可を申請する際には、定款に「建設工事業」「土木工事業」などの記載が必要です。記載がなければ、どんなに実績や技術力があっても、申請は受け付けてもらえません。
産業廃棄物収集運搬業許可
産業廃棄物の収集・運搬業では、「産業廃棄物収集運搬業」と正確に明記する必要があります。自治体によっては「一般廃棄物」「産業廃棄物」の区別を求められるため、表現の調整も重要です。
古物商許可
中古品の売買やリユース事業を行う際には「古物の売買業」「古物商」などの記載が必須です。ネット販売やリサイクル市場の拡大を考えると、将来的に必要となる可能性も高い分野です。
成功事例と失敗事例
成功事例:定款を見直してスムーズに許可取得
ある建設会社の社長は、新たに産業廃棄物収集運搬業許可が必要になった際、申請直前に定款を確認。
「産業廃棄物収集運搬業」の記載がなかったため、すぐに定款変更を実施しました。
結果、申請に遅れは出ず、計画通りに新規事業をスタート。迅速な経営判断が新たな収益源の確保につながった事例です。
失敗事例:定款を放置して申請がストップ
別の企業では、建設業許可の更新時に「定款に建設業の記載がない」と指摘され、申請が一時ストップ。
定款変更と登記手続きに時間がかかり、許可の取得が大幅に遅れてしまいました。
工期の受注に影響が出て、数千万円規模の売上機会を逃したという痛い経験です。
経営者が知っておきたい「入れておくと安心な事業目的」
定款の事業目的は「今の事業」だけに縛る必要はありません。将来を見据えて広めに設定しておくことで、経営判断の自由度が高まります。
例:
・建設工事業
・土木工事業
・建築工事業
・電気工事業
・管工事業
・産業廃棄物収集運搬業
・一般廃棄物収集運搬業
・古物の売買業
・各種コンサルティング業
・インターネットを利用した通信販売業
・前各号に附帯関連する一切の業務
行政書士に相談するメリット
経営者として「定款を直さないといけない」と思っても、実際には以下のような不安があるはずです。
・どのような文言を入れれば、許認可で問題がないのか?
・自治体ごとに指導される表現の違いにどう対応すればよいのか?
・定款変更から登記、許認可申請まで一貫して進めたい
こうしたときに頼りになるのが行政書士です。
行政書士は建設業許可・産廃許可・古物商許可などの申請に精通しており、実際の審査で通りやすい文言を提案できます。さらに、登記事務を司法書士と連携して進めることで、最短ルートで定款変更から許認可取得までをサポートできます。「定款の見直し」は経営判断ですが、手続きの専門サポートは行政書士に任せるのが最も効率的です。
まとめ 〜経営判断としての定款見直し〜
・原始定款を放置すると、許認可申請で不利益を被るリスクがある
・建設業許可・産業廃棄物収集運搬業許可・古物商許可などでは、定款の事業目的の記載が必須
・ワンオーナー会社なら、定款変更は経営判断ひとつで迅速に対応できる
・成功事例・失敗事例からも分かるように、定款見直しはリスク回避と成長戦略の両面で重要
・行政書士に相談すれば、確実かつ効率的に定款見直しと許認可取得を進められる
許認可のタイミングで「定款の記載が足りない」となると、貴重な時間をロスしてしまいます。経営のスピードを止めないためにも、早めの確認と準備が大切です。
当事務所では、会社の状況に合わせた最適な定款見直しと許認可申請をワンストップでサポートいたします。
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